「やる気」という魔物
最近、アルバイトが楽しい。
私は夏休み前から始めた某チェーン店で接客等のアルバイトをしている。
オープニングスタッフの高時給に惹かれて始め、秋になったら辞めるつもりだった。しかし、働くうちに気付けば最初の考えは何処かへ行った。
たまたま仕事内容が合っていたのもあるし、何より店長の人柄が決め手。
今では週3、4回、大学が終わるとバイトへ向かい、終電まで働くというスタイルだ。
そういえば先日、大学の講義でアルバイトの注意点などを扱ったことがあった。
バイトに明け暮れ、単位を落とすなど本末転倒な状態に陥る学生が中々減らない理由は、「ブラックバイト」と言われるような雇用側の問題だけでなく、学生側の問題でもあるのだという。
講義ではこう言っていた。
アルバイトに明け暮れる学生は結局のところ、楽しくてやっている。アルバイトは楽しくなるような要素がいくつもあるから、と。
仲間がいる連帯感、仕事をして褒められること、感謝されて仕事を任されること...。そのどれもが「やる気」ーー働く原動力に繋がる。
しかし、やがて使い切った労働力は必要とされなくなり、代わりの誰かへと入れ替わることになる。あなたが居ても居なくても、変わらず仕事は回っていく。
だから、「やる気」という魔物に身を任せてはいけない。ーーそのようにまとめて講義は終わった。
"やる気という魔物と戦う"。
その意見からみると、私は既に魔物に負けているのかもしれない。
ただ、繰り返しておくと、現在やっているアルバイトは楽しいだけでなく、学ぶ事がとても多い。魔物だからといって無条件に排除しようとするのではなく、うまく付き合っていく必要があるだろう。
アルバイトに限ったことでもなく、学生である今も、そしてこれからの人生でも、同じことなのだと思う。